「妻よ!松本サリン事件犯人と呼ばれて」感想 申し訳ありませんでした
「スマイル」最終回をあきらめて、フジテレビの「妻よ!松本サリン事件犯人と呼ばれて…」を録画した。
事件発生から15年の今日、たった今見終えたが…2時間最初から最後まで涙が止まることがなかった。
このドラマは、事件当時の映像と石黒賢演じる河野さんと奥様(松下由紀)と子供たちの再現ドラマが交互に進行していくのだが、当時の映像を見る度に、その報道を自分自身がどんな風に受け止めていたのかを思い出させられる。
長野は私にとっても故郷であり、当時高い関心を持って一連の報道を見ていたため、はっきりと記憶している。この事件の報道は確かに、河野さんを犯人とほぼ断定するものであった。
マスコミで怪しげに報道された人物が犯人でなかったことなど経験の無かった私は、河野さんに疑惑の目が向けられたことでどこか安心していた。これで、両親の住む長野で事件が広がることはないと。
無実の罪を着せられながらも、落ち着きはらった河野さんの姿は、真相を知った今となっては、いかに立派な態度であったか思い知らされるが、当時は、落ち着いているところがますます怪しく感じられたものだった。
立派な人物や強い人間が畏れから迫害を受けたり、罪人扱いされる例は歴史上もよく見受けられるが、河野さんの毅然とした態度、家族を守る強さに対して、私たちは畏怖の目を向けていたのだと思う。
だから、サリンが別の事件で扱われ、河野さんの無罪が明らかになった時には、河野さんを犯人だと1度でも思った事のある人は、皆、複雑な感情を抱いたはずだ。謝らなくてはいけない。なのにその術を知らない。どこかに棘が刺さったままになっているような。心の中がざらざらしているような感じ。
その思いはしばらく忘れていたが、昨年、奥様が亡くなったと報道された時に再び蘇ってきた。気になっていたところでの今回のドラマ化。
見てよかったと思う。2時間泣き続けたが、報道の裏側を知ることで「ざらざら」やら「棘」と感じていたものがクリアになった。”涙で(棘やざらざらが)流れた“なんて都合の良いことは思わないが。
さて、果たして私の「真実を見る目」はこの15年で少しは育っているのだろうか。今、再びこうした冤罪につながるような報道があった時に、事実だけを取り出して見つめることができるだろうか。その点は自分ではわからないが、ただ、少なくとも松本サリン事件の記憶がある限り、やみくもに報道だけを頼ることは無いと思う。
河野さん、本当に申し訳ありませんでした。心の中で犯人扱いしたことを心の中でお詫びするしかないのですが・・・。
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